2014年1月24日 (金)

冬枯れの海

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水田のセイタカアワダチソウは冷気で枯野になり、

セシウムを含む土壌は雪によって覆われ、そこはまるで葦原のようだ。

親子はその冬枯れの海を渡り次の餌地に向かう。

痕跡4

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雪面に筋状の帯が続いている。これもイノシシの痕跡である。
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鼻先を雪の中に突っ込み、鋭敏な嗅覚によって餌を探し歩く。
体躯は剛毛に覆われて冷気を防いでいるが、鼻は粘膜剥き出しだ。
冷たさによって嗅覚は減衰しないのだろうか?


痕跡3

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帰還困難区域の長泥地区に入ると、イノシシの痕跡が格段に多くなる。
どこを見てもイノシシの足跡だらけである。
昨冬のイノシシの行動を振り返れば、積雪する時期には浪江町方面(雪のない海方面)に
移動し、足跡はごく僅かに見られる程度だったのである。
飯舘村でも長泥周縁の区域や隣接する川俣町では有害駆除により猟師が定期的に
入り、昨日の記事にあるように捕獲檻や罠を仕掛けている。
イノシシたちは人間の営為が失われたここを安住の地と理解しているかのようである。
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一昨年試行除染した水田も、掘り返されている。
見境なく除染後のほぼすべての田でこのように餌を漁っている。
逆に除染していない水田ではこのような掘り返しはあまり見られない。
写真奥には除染で剥いだ土を詰め込んだフレコンバッグがその場に
積まれている。5cmの表土を剥いだ水田には、汚染していない土壌を持ち込み客土された。
客土された土壌はそれから1年経過し、昨年は飛んできた草の種子が発芽し、
多少の草花は繁った。
この雪の下にはそんな草花が枯れて封じられている。
イノシシの嗅覚は客土された土壌の、何に対し、誘引されているのだろうか?その枯れた草に執着しているとは思えないが。
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イノシシが掘り返した痕跡をよく見れば、そこにはネズミが辿ってきている。
ハタネズミの足跡だと考えられるが、通常冬期は
雪の下の土中に穴を掘って暮らしているが、
イノシシが漁った残滓を求め、雪原に出てきているようである。
このように、汚染された地でも植物―動物間、動物-動物間には
様々な関係性が存在していることが伺える。



2014年1月23日 (木)

痕跡2

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比曽地区の水田に設置された有害鳥獣の捕獲檻。
飯舘村が仕掛けている。この近辺には2台設置してある。
増殖するイノシシ、ニホンザルを捕獲する。昨年の9月には75kgのイノシシが掛かった。
毎回この地を訪れるたびに観察している。
今朝は何の変化もなかったが、帰路再び見ると、足跡が檻に向かっていた。
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檻の右手は人家の生垣である。檻の中に向かうのは
イノシシの足跡である。
複数の筋が見えるが、結果的に扉は閉じなかったようだ。
檻の中を見ると、おびき餌であるヌカが食べ散らされていた。
恐らく、体重の軽い若イノシシだったのだろう。
3
命拾いしたイノシシは、村内を縦横に闊歩するのだ。

2014年1月22日 (水)

痕跡1

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川俣町山木屋の峠を越えるとそこは飯舘村比曽地区となる。
山木屋では多くの重機と多数の人間によって土を剥いでいた。
ここでは、それとは正反対の景観である、360度見渡すかぎりの
雪原が続く。1時間に1台程度の車が通過するのみ。
耳を澄ませば、カラスの鳴き声とアカゲラのドラミングが遠くに聞こえる。
昨夜降り積もった雪が朝日に照らされまぶしい。
硬く締まった雪原に一筋のキツネの足跡が続いていた。
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その痕跡をひざまで埋もれながら辿ると、足跡が複雑に乱れ、
深い穴が開いている。
3
穴の周囲をよく観察すれば、少量の黄色い尿痕が残っていた。

耕作放置された雪の下の水田に繁茂していた植物の種子を
せっせと採餌していたネズミだが、
忍び寄るキツネの雪を踏む音を察することなく、安穏としていたのが大きな間違いだった。
気づいたときにはすでにキツネの口に咥えられていた。そして、失禁。
その直後、ネズミはキツネの喉の奥に放り込まれたに違いない。





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